【資料】気候変動、エコロジカル債務と金融主権に関するジュビリーサウスのプラットフォームに向けて

今すぐクライメート・ジャスティスを!(ジュビリーサウス)

(写真:クライメート・ジャスティスを訴えるジュビリーサウスのポスター)


原文は以下参照
Towards a Jubilee South Platform on Climate Change, Ecological Debt and Financial Sovereignty
http://www.jubileesouth.org/files/cambioclimatico_en_baja_calidad.pdf


以下からこのワード文書のダウンロードが可能です(翻訳は柿元えり子さんによる)
ノーモア債務.doc 直


【翻訳資料】

ノー・モア債務 人間の権利と自然の権利!

気候変動、環境債務、金融主権に関するジュビリーサウスのプラットフォームに向けて


はじめに

ジュビリーサウスとその加盟団体、南の人々が、債務支配からの解放を求めて初めて団結、結集してから10年が経過したが、彼らは現在も、多様で深刻な、経済、食料、エネルギー、環境の危機に直面したままである。このような危機は、グローバルサウスの多くの国が抱えている債務に新たな危機の脅威を増大させ、現在と将来においては、気候変動による悲惨な経済的および社会的結果をもたらしている。

ジュビリーサウスは、継続的かつ新たな債務支配に対する闘いの一環として、また気候危機を検討しながら、気候変動の問題を一連の継続的行動の一環としている。現在まで私たちが特に注目してきたことは、気候変動と金融の相互関係、その相互関係と不公正な債務との関係、南が負っている環境債務および気候債務に対する補償の要求である。歴史的に見れば、これらはすべてジュビリーサウスのネットワークの中心課題であった。また、代替案の構築を検討する際には、3つの地域(アフリカ、アジア太平洋地域、ラテンアメリカカリブ海諸国)において社会、金融、環境正義の観点から見て広範な行動を継続していく。

本文書の目的は、まぎれもない地球温暖化の現実に直面している中、これまでの行動や考え方に反映されている主要な要素を体系化することである。さらに、世界的取り組みに貢献するものとして、現在進行中の気候変動交渉において大胆で公正な結果を保証すること、ジュビリーサウスの各メンバー、その他関連パートナ−や仲間へが、「気候変動、環境債務、金融主権に関する行動のプラットフォームと行動」を引き続き形成できるようにすることである。

気候、体系および文明の危機

金融・経済危機の深刻さを明確に認識すると、現在の危機がより深刻な危機、つまり資本主義体系の危機、文明の危機であり、経済、食料、エネルギー、政治、社会などの危機に反映され、それに付随する他の危機にも反映されていることが理解できる。そのような危機の原因は、北の諸国、そして北の諸国や国際金融機関(IFI)が多くの南の政府と調整して決定して課した役割や政策によるものであるが、一方で、因果関係や費用の最大負担を支払うことを強要されているのは、特に南に人々であり、働く人々、漁民、現地の伝統的森林のコミュニティー、女性たちである。

気候変動は、歴史的に見て、特に二酸化炭素排出量の70%の責任を負い、世界人口の18%を占める北の資本主義体系および生産モデルによって引き起こされたもので、すでに南のコミュニティーや人々に悪影響を及ぼしている。北の諸国、企業、富める個人は、地球の大気空間の分け前以上を消費し、同時に環境が破壊されている南で政策と介入を推進している。北の諸国は、気候変動の原因と結果に偏って関与しているので、自ら排出量を削減する義務があり、緩和と適応のニーズにかかる費用を支払わねばならない。しかし、気候変動は、食料、干ばつ、海水面の変化、疾病などが増加する結果を生み、そのため特に既に南のコミュニティーと人々に影響を及ぼしている。気候災害は悪化し、頻繁が高まり、その結果、気候によって強制移住やその他の問題が発生している。

しかし現在まで、このような問題を解決するために目指してきたことは、危機に対して大きな責任を負うまさにその体系や制度の改革と再合法化であった。債務は、気候変動の悪化や深刻化に大きな影響を及ぼしているプロジェクトに対する融資や政策を促進するため、政府、人々、南の資源を支配、管理する道具として使用されてきた。それにもかかわらず、気候変動に係るプログラムは、依然として同じIFIによって融資され、その結果、違法な債務のレベルがさらに高まった。如何にして気候変動から利益を得るかと言うことに関しては、危機の根本的な原因を究明し、新規体系を構築したりすること以上の取り組みがなされている。ますます促進されているのは、炭素市場、農作物燃料、水力発電所、石炭、各エネルギーなどの誤った解決策である。二酸化炭素排出権取引−誤った解決策の主なものである−によって、超国籍企業や富める諸国は、単に南の人々や諸国を犠牲し、汚染する権利を購入することが出来る。さらに悪いことに、二酸化炭素排出権取引は、近年の金融およびバブル経済および経済危機の主な原因である金融派生商品の普及と同様、汚染から利益を引き出すための新たな卑劣な道具を生み出している。

環境債務、気候、気候変動交渉

また、今年は気候にとって重要な年である。12月には、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第15回締約国会議(COP-15)の会合が開催される予定である。国際協約および国際条約は、私たちの要求に応える法を施行したり、政策を実施するため唯一の手段であり、気候正義に対する取り組みは、あらゆる場所で持続的に実施しなければならず、COP-15は重要な機会と言える。また、京都議定書による2012年までの最初の約束期間の結論に沿って、気候変動に関する新しい公約シナリオを定義すべきである。しかし、世界の気候に直面する深刻な状況や、現在、認識されている人間性の生存等の深刻な状況があるにもかかわらず、ほとんどの交渉が行き詰っている。北の諸国は、主要な途上国が足並みをそろえなければ、新たな排ガス削減を公約することには消極的である。その一方、途上国は、先進国が前の公約を順守せず、炭素排出の蓄積に対して差異のある責任を認識しながらも、低炭素経済に向けて公正に動くための経済的および技術支援を如何に提供するかを計画するか関する概略さえも依然として描かれていないので、いかなる公約も拒否している。それどころか、北の政府が提出している提案では、気候変動による損害への責任に対処さえもしようとせず、むしろ、北が地球大気の公正な分け前よりも以上を消費し続け、気候変動に対する最小限の責任としての支払いしか取らないことを保証しようとしている。

いまこそ環境債務への補償を

北の政府は、補償のために、現在および過去の責任および義務を認識しようとせず、なおも「政策空間」を確保することを目指し、南の自然と人々に対して環境債務を継続して増加させる必要があるとしている。北の政府は、気候の植民地化だとして公然と批判されるべき方法によって、なおも政策空間を使用し、緩和と適用に係る費用のほとんどを南の諸国へ押し付け、排出を継続し、「この債務の取り消し」を提案している。さらに北の政府は、現在の気候危機を生み出している重要な手段である世界銀行および地域開発銀行に対して、依然として主な融資の役割を与えることに固執している。この現実から目をそらす怠慢による当然の悲惨な結果は、主に南の諸国にその犠牲者が存在する環境債務および気候変動がさらに増加し、南の人々がさらに違法な金融債務の重荷を負わされ、現実的な代替策を開発するのに時間がなく、資源が減少するということだ。

それにもかかわらず、現在の危機を背景にして、環境債務さらに言えば気候債務が重要な問題になってきた。多くの民衆運動や市民社会団体は、気候変動に対する対処手段として北が南に責任を負う気象債務に対する補償をするよう求めている。このことは、ここ2年の「債務およびIFIに対する世界行動の週」の中心課題である。公式レベルで言えば、クマナ(Cumana:*訳者:ベネズエラ北部の海岸沿いの町)の米代替統合構想宣言(Cumana’ Declaration of ALBA)首脳会議 (2009年4月)は、気候変動に伴って南が負っている環境債務の支払いを求めている。エクアドルは、自らを環境債務国として宣言している。ボリビアパラグアイ、マレイシア、スリランカベネズエラの各国政府は、現在のUNFCCC(国連気候変動枠組み条約)交渉の提案を棚上げしている。この交渉は、UNFCCCの次COPが開かれる「コペンハーゲンで(まず)結果が合意され「途上(諸)国に対する気候債務が払い戻しされる」ことを求めている。

気候変動の問題に重点が置かれるのは、人間の将来に関して直接的意味があるからである。それにもかかわらず、環境債務に関するより幅広い観点、さらにそれが持つ金融債務と世界経済体系に対する関係を考慮しないなら、気候正義−特に、気候変動に対する緩和と適応の費用−を十分に分析することが出来ないと強調することは重要である。例えば、気候変動による影響に対処するためには、これまで求めてきた方法とは全く異なる方法によって、正当かつ適切な資金の提供をしなければならない。洪水および水の流況、住居、エネルギー、輸送、移住の体制など人間の権利および自然の権利に対する気候の影響−生態学的影響−が、財政および経済体系の中で適切に対処されないならば、気候正義を適切に対処することはできない。




気候と財政
国際金融機関の役割

歴史的に見ると、国際金融機関(IFI)は、大型水力および火力発電所、農業関連産業、化石燃料プロジェクト、さらにエネルギー部門の民営化の主な支持者であり、同時に資金提供者でもあった。これらの全てが、気候変動の主な原因である。国際金融機関(IFI)の実施する業務は変わらないが、その一方、世界銀行および地域開発銀行等は、現在、気候変動に取り組んでおり、世界の財政および経済危機に応えて、自らを「グリーンバンク」、「知識バンク」として確立しようとしている。つまり、IFIは、市場を基盤とする「解決策」を「販売」し、また自ら引き起こした問題を解決するために、南の諸国にあらたな貸付を強要るという名目で、ますます利益を得るために大きな事業の機会を創出し続け、南の天然資源や現地コミュニティーの領域を民営化し、南の諸国に対する依存の新たな局面とさらなる債務を決定している。新規の貸付メカニズムによって南の経済に資金を投入することは、気候変動の問題に対する解決とはならない。それどころか、さらに悪化させることになろう。

a)現在の金融、経済、気候の危機の状況でのIFIの役割

IFIによる貸付とその影響は、南の諸国の対外債務および環境に直接的な結果をもたらし、財政、金融、食料、気候の危機とより関連したものとなった。2009年、世界銀行グループ(WBG)の貸付は過去最高に達し、そのほとんどがインフラ・プロジェクトに対するものであった。国際復興開発銀行(IBRD−WBGの最大の構成要因)もまた、今後3年間で3倍の最高1,000億ドルまで資金を増やす計画である。1 投資を行う際の保証もまた、民間部門にして増加しているWBGの支援の一部となる可能性がある。これにいり、受け入れ国がさらに高いレベルの債務を生み出すことは明らかである。また、「政策アドバイサー」としての役割も強化されている。この例としては、世界銀行のインフラ再建・資産プラットフォーム(INFRA)、インフラ施設を含むIFC の民間部門改革(Private Sector Reform) などがある。世界銀行によると、「インフラに対する反循環的公共支出は、雇用を創出したり、経済回復および持続可能な成長の基盤を提供するための有効な手段であり」、また「グリーンインフラへ投資する変換の機会」でもある。しかし、このようなインフラ資金は、主に大規模な地域規模の発電や、森林破壊や生物多様性に悪影響を及ぼす港湾施設や道路などの輸送プロジェクトに対して直接使用されている。

世界銀行はまた、技術支援施設/マルチドナー信託資金を設立している。この目的は、農業部門で新たな市場リスク管理の枠組みを確立するため、金融不安と募らせている気候変動緩和のため、さらには、大型個人投資家がさらに投機の道を開くために技術支援を提供することである。「脆弱国向けファンド」が公表されたが、これにより官民パートナーシップ(PPP)モデルの促進などの世界銀行が管理している信託資金への懸念が増大しており、そのため、民間部門の役割が増加した。

様々の危機のために、今後数年間のIMFの融資公約もまた、1,600億米ドル以上の記録的レベルに達する。このうち、2014年までに170億米ドルが低所得諸国に提供され、これには今後2年間の80億米ドルが含まれている。2

b) 資源採取部門および気候変動に大きな負の影響を与えるその他の環境汚染産業に対するIFI融資の増加

概して、IFIは「グリーン銀行」であると主張しているが、その一方、世界銀行グループおよび地域開発銀行は、再生可能エネルギーおよびエネルギー消費効率に対するよりもはるかに大きな額を化石燃料に投資し続けている。このため、世界銀行は、エネルギーの民営化を促進するのでなく、水力発電所を再生可能エネルギーに含め、石炭発電所をエネルギー効率プログラムに含めることによって、再生可能エネルギーおよびネルギー消費効率に関連する数を増加させている。IFIでなにが議論されているかに関係なく、大きな負の気候変動の影響のある、資源採取部門、大型インフラ、その他の汚染産業に対する資金提供は上昇し続けている。


世界銀行グループは資源採取部門への資金供与を削減しているのか?

世界銀行グループは、1992年から2004年までに、世界の年間排出量の20%を示す120以上の化石燃料プロジェクトに対して、110億米ドルを承認している。

−2005年から2008年までに、化石燃料への資金供与は、2000年から2004年の3倍であった。

−2008年度、世界銀行グループは化石燃料への資金供与を102%に増加する一方、再生可能エネルギーに対してはわずか11%以上であった。

−概して、世界銀行グループは、依然として再生可能エネルギー効率に比べると化石燃料に対して2倍投資し、再生可能エネルギーのみで5倍を投資している。

−過去3年間、再生可能エネルギーより石炭に19%以上が費やされた。


世界銀行はまた、森林伐採の原因となる森林、商業伐採プロジェクト、大規模ダム、道路建設に関して悲惨な記録を持っている。例えば、インドネシアでは、2007年、新産業プランテーションに対して最高で70万ヘクターに投資する戦略計画を開始した。コンゴ共和国では、内部報告書で明記されている様に、世界銀行の活動はいくつかの外国企業の破壊的な伐採を促し、そのためコンゴの約50万人のピグミーの生命が危機にさらされた。アマゾンでは、大豆プランテーションと牧畜に資金提供している。2009年6月、ブラジルのIFCは、アマゾンの森林破壊に関与しているとして、牛牧場主や食肉加工業者−バーティン社(Bertin)など−に法的手段が提示されたため、牛肉処理者、食肉と皮革の加工および輸出業者であるバーティン社(Bertin)とのパートナーシップを解消するよう迫られた。世界銀行の影響は、資金提供された特定のプロジェクトを上回るものである。同銀行は、構造調整プログラムの実施および対外債務の返済を要請することによって、長い間、天然資源の乱開発による破壊活動を実施するために各国を刺激してきた。例えば、エクアドルの場合、2002年、世界銀行IMFと共に)は、対外債務の支払いのために石油収益の70%に上る基金を創設した。 世界銀行の政策に沿った輸出主導型成長を強く勧めることは、当該国が天然資源を略奪することに大きく依存していることでもある。輸出主導の成長のほとんどは、農作物燃料のために畜牛、大豆、サトウキビ、パーム油など大規模の農業関連産業を基盤としており、そのほとんどが、深刻な社会的紛争と同時に森林破壊をも引き起こしている。

世界銀行IMF、地域開発銀行などと全く同じように、その他の輸出信用機関(ECA)や、多くの南の開発銀行、融資機関、北の他国籍民間銀行など、その他の金融要因もまた、多くの場合において世界銀行地域銀行と共同しながら気候変動を悪化させるプロジェクトへの大型の資金供与者である。

c)誤りの解決策:利益創出の機会

依然として、気候変動を悪化させるプロジェクトに対する資金が提供される一方、世界銀行IMF、地域開発銀行もまた、気候変動に対処する世界的な取り組みの継続を意図的に目指す戦略、プログラムを作成、管理するという新しい役割も担っている。例えば、世界銀行は、国連の気候変動交渉を背景にして、また、ポスト2012年のシナリオで、気候変動に求められる世界の金融構造の中心にとどまるために、自ら優位な権減の位置にとどまるなかで新しい役割を獲得している。IFIはまた、既に述べたようにインフラ・プロジェクトに対する資金提供が増加していることとは別に、炭素市場の主体として活動し、異なる種類の資金を創設したり、それを管理し、また農作物燃料に融資するこことで、気候変動に誤った解決策を強要している。国内開発銀行および民間資金もまた、ECAと共に、世界銀行などのIFIと協力して、気候変動に対する資金の管理を行っている。

同様に、IMFの「気候変動に関するマクロ経済、財政、金融の課題」に対する技術的支援プロジェクトは、状況を分析する枠組みを課すもので、この中には融資条件が含まれるが、この融資条件は、人々や国が将来を決定する際の統治権を犯すものである。

・いわゆるクリーン開発メカニズムと炭素市場

いわゆるクリーン開発メカニズム(CDM)−京都議定書による取り決めで、北の諸国が、自己排出量削減の代替として、理論上、排出を削減するために南で実施するプロジェクトに投資する−および、キャップ・アンド・トレード(排出量取引)などのイニシアティブに関連するその他の炭素取引−排出限度より少ない排出者は、限度を超える排出者に追加割当量を販売することが出来る−は、明らかに機能していない。この場合、排出は削減されず、一方で、その他の社会環境問題が国際的レベルで促進され、金融不安を増加させている。また、北の企業および消費者に「汚染の権利」を与え、個人投資家に「気候リスクに投機する権利」を与えている。彼らはまた、企業や政府が金を使って排出量削減し、南に責任を転嫁させる一方で、過剰消費に対する自らの責任を逃れているため、北での汚染を継続している。

初めての炭素取引プロジェクト−毒性廃棄物層によるメタン放出および遺伝子組み換え作物から廃棄される炭素などに関する−では、結果的に関与する企業および世界銀行の重要な委員会の大きな利益となり、その一方、社会環境問題を促進しながら、排出量削減の効果(もしいくらかでもあるとすれば)が限定的であることが示されている。例えば、単一栽培されているユーカリ林のプランテーションは、おそらく、銑鉄の生産に使用するためと考えられるが、炭でなく石炭の使用による大量の二酸化炭素の排出を避け、流れの枯渇、化学物質の使用による空気や水の汚染、土地の生物多様性の損失を避けるためである。これらの生態学的破壊はすべて、多くの場合に先住を含む小規模農民の暮らしに影響を与えている。


世界銀行
すぐに気候問題から手を切れ!


・森林破壊と森林劣化の減少

「森林減少および森林劣化に伴う排出量削減(REDD)」に関する国連協力プログラムのイニシアティブは、炭素市場により資金提供され、世界銀行も関与しており、森林減少および森林劣化の減少に寄与するというより、その原因である企業および政府に報酬を与えていると考えられる。このことは、その他のクリーン開発メカニズムと同様に、補助金のほとんどが大方の汚染企業に与えられるので、引き続き北と南で汚染が継続されることを意味している。また、その形態は、森林破壊や森林劣化に関して現地住民やもともとの人々に責めを負わせている。

REDDプロジェクトの擁護者は、地球温暖化に対処に貢献しており、森林の人々が生活の糧を得るのに重要な機会であるが、その一方で、森林をどう管理するか、誰が管理するか、そこでは何が許可されまたは何が許可されないかに関して重要な意味があると確信している。


(写真:先住民族の権利を侵害するREDDを批判するポスター)


・農作物燃料

広範な研究から、農作物燃料は気候変動に対する解決策ではないと証明されている。農作物燃料はほとんど南で生産され、北の諸国の車に消費されるために輸出される。土地使用、生態系および環境衛生、社会および生態学的正義を犠牲にして発生する。また、深刻な食料危機がすでに現実となっている状況で、食料の価格を上昇させ、食料主権を犯す一因となる。経済協力開発機構OECD)および国連食料農業機関(FAO)作成の農業アウトルック(2008〜2017年)によると、2007年から2008年の期間で、穀物および植物油の価格上昇の約3分の1について農作物燃料が起因している。さらに、小規模家族農業を追い出したり、または農業的開拓地を拡大している穀物地帯のほとんどで作物燃料が使用されるなら、炭素堆積物が破壊され、その結果、化石燃料の消費が減少することによって、気候変動の減少に及ぼす影響の可能性が無効となる。

水力発電ダム

水力発電ダムは、社会的および生態学的に破壊的であるだけでなく、気候変動にも寄与しているので、クリーンエネルギーであると誤解されている。二酸化炭素およびメタンの消費と排出が繰り返される生態系が水浸しになることで、ダム貯水池ではこのようなガスの流れのパターンが変更される。土壌および植物が水びたしにより腐食が進み、その結果、排出が増加する。さらに、ダム建設のために、セメント、鉄鋼、その他の材料の生産に化石燃料は使用され、土地利用が変化し、森林破壊を導く。このように、水力発電ダムは解決策でなく、むしろ問題のひとつであると言える。

これに関連する問題として、債務支払い、IFI融資条件、代替技術と開発戦略を開発する南の諸国の能力の外部金融フローへの依存、復興および保護プログラム、緩和および順応策による影響がある。南の諸国や人々は、実施する方策や技術、またいつ、どのように、どのような優先権によって実施するかを決定するための主権者としての権利を持つべきである。従って、正義の問題とは別に、IFIが完全で無条件で債務取り消しを実施することは、南の諸国が、社会的および生態学的気候正義に対する戦略や手段の開発に向けて自らの能力を強化するための義務、また必要な手段である。

IFIおよびそれを支配する北の政府は、大気の占有は違法で規則違反であって、気候変動は人為的に創出されたことを認識しなければならない。つまり、IFIおよびそれを支配する北の政府は、気候および環境債務の責任を問っているため、それに対して満足できる補償と回復を提供しなければならないと言うことである。しかし、どのようにして債務の補償をどのように行うか、また、さらに重要なことは、気候変動に関する国際連合枠組み条約(UNFCCC)・別表1国の北の諸国が、気候変動の課題に対処するよう義務づけられた資源をどのように管理するかを保証する責任を負わなければならないのは、関係当事者、南の人々と政府である同じIFIでは、過去および現在の気候変動と関連する問題の責任の重要な部分を分担することは不可能である。UNFCCCの元で、新しい「気候補償に関する世界基金」Global Fund for Climate Reparation)を創設しなければならない。つまり、さらに違法な債務を生み出す融資または補助金では、これ以上資源は利用できないと言うことになる。

真の補償には、 地球温暖化に対する歴史的責任と、生産と消費の現行モデルの持続不可能性の双方を認識しながら、北の諸国内において最も大胆で決定的な排出レベルの削減を伴わなければならない。財政的補償は公的資金から抽出し、また人間と自然の権利に対する主権と尊重の上になされなければならない。このような資金は、気候変動の原因である政治的および経済的モデルに対して供与されるべきでなない。そうでななく、資金は金融、食料、エネルギー主権を優先して供与されなければならない。それにより、非炭化水素依存の社会への移動を可能にし、南の諸国が求める無条件の債務取り消しを追加しなければならい。



環境債務と気候債務

植民地時代の始まり以来、北の諸国は−政府自体、企業、国際金融機関(IFI)を通じて−南の富と、南の人々による労働を搾取してきた。北の富は、アフリカ、アジア太平洋、ラテンアメリカカリブ海諸国の人々を搾取、抑圧することによって築かれたことは疑いないことである。奴隷制度、鉱物および炭化水素、単一文化の導入と強制、生物多様性と知識の盗難による、世界で最も富める経済のヨーロッパの中心諸国、米国、カナダ、日本、その他の国の産業、経済、軍事力の統合。

このように人々と自然を不当に使用したり、乱用したりすることは、何世紀の間大きく変わることはなかった。それどころか、人々と自然の不当な使用や、乱用は、新自由主義グローバルゼーションの到来と共に、債務、いわゆる自由市場の拡大、文化的征服、武力の行使の拡大等の抑圧と支配のメカニズムに依存しながら増大した。このような破壊的な体系は、私たちの現在に深刻な影響を及ぼし、また人類の将来と母なる地球の将来を危機にさらしている。これは環境債務である。

ここ数十年において、多くの人々や組織、ジュビリーサウスなどのネットワークのおかげで、環境債務の問題は関心事の枠を超えて確立されている。さらに多くのグループや個人は、環境債務の問題を、特に環境正義の問題といった今日、世界が直面している様々の不平等問題に対する取り組み、分析、反対などがその主な概念事項と捉え始めている。

一方、化石燃料産業や気候変動に係る問題による影響について作業している関連のコミュニティーや組織もまた、正義を求めて進展している。つまり、単一文化に対する人々の抵抗、炭化水素業界、または京都議定書などのいわゆるクリーン開発メカニズムなど、気候変動に係る影響を止め、十分な補償と実際に効果的な解決策を得ることである。

エクアドルのAccion Ecological(環境保護活動)の環境債務に関する言葉

「環境債務とは、資源の搾取、環境破壊、グリーンハウスガス等の廃棄物を堆積するため環境空間を無制限に使用するために、北の産業先進国が、南の諸国と人々に対して蓄積した債務である。生物圏を乱用し、環境の限界を超え、持続不可能なやり方で自然資源の搾取を強要する人々は、この環境債務を取り下げなければならない。環境債務は、一連の自然資源、生態学的費用を具体化した生態学的に不平等な取引条件、現代の農業関連産業やバイオテクノロジーの基盤となっている、例えば、種や植物に関する伝統的な知識の占有、様々のグリーンハウスガスの排出による大気汚染、南の国の化学および核兵器の生産と実験、化学および有機廃棄物の第三世界での投棄等によって蓄積されてきた。現在の新自由主義的グローバル市場経済の体系において環境債務が維持、拡大されてきたのは、国際的金融機関が課した構造調整プログラムなどのメカニズム、海外投資、また、金融債務を軽減するために輸出製品の生産を国に強制しながらの不平等な取引条件によってであり、さらに、世界貿易機関WTO)内において、南の生物多様性の元来の保護者に対する補償もなく、遺伝物質の特許が多国籍企業TNC)によって農業と薬理学に対して保護されている貿易関連知的所有権による。


地球を守れ

環境債務とは、環境問題と社会問題の関係だけでなく、現在、私たちが経験している生態学や環境危機に関する過去と現在の責任分配を決定する際に、綿密な分析を提供することが可能となる概念である。つまり、権利と正義について保全と持続可能性を超えて、環境について議論することである。

また、環境債務は強力な概念で、これによって、経済的な意味のみならず、真の意味で物理的、生態学的な観点から持続可能性の意味において、北と南の交流つまり国際的な経済関係を別の方法で分析することができる。さらに環境債務は、犠牲者に回復と補償を保証し、責任者に制裁を与えるために、南の環境被害の部分的終結するための道具を強要している。環境債務は、責任を定義し、正義を保証する闘いための手段である。さらに、南の人々が自ら、この生態学的、社会的、歴史的債務の債権者であると認識するなら、しばしば環境債務を生み出した基盤の元で、違法に蓄積されてきた金融債務の取り消しを求めるために闘い、力づけるために新たな議論が必要である。

このため、環境債務の視点によると、債務に関する国際的認識と手段によって、北と南の平等、持続可能性、相互尊重、環境正義に向けて道を開きながら、各国間の対話と関係が必ず永久に変更されることを求めている。人間の権利と自然の権利の視点からは、このような債務を生み出し、増加させた要因について理解することができ、一方、倫理的見方からは、環境債務の認識と補償に対するキャンペーンが始まった。

歴史的責任と環境債務

環境債務には、主な2つの局面がある。まず、北の諸国、企業、IFIの介入の結果、国内に発生した環境破壊や環境不正偽である。2つ目は、同じ北の諸国、企業、IFIによる世界共通の問題の割り当て、これらの共通の問題の吸収能力を不平等に搾取することである。この意味で、気候変動は環境債務がもつこの2つの局面に関連している。

最初の局面に関して、南の輸出主導の成長および不公正な債務の支払いに課せられた優先権は、自然資源、商品、広告収入の北への移転を保証するために、資源搾取部門やその他の汚染産業を促進し、それに対して資金提供することによって、気候変動に影響を及ぼす排出や森林破壊を導き、今でもそれは継続している。

世界規模で見ると、北は主に、化石燃料の生産と現在の気候の危機を導いた化石燃料の消費によって成長したので、国際公共財−大気および大洋−および生物圏の炭素吸収力を割り当てている。

世界人口の20%以下を占める北の先進工業国は、人口一人当たりで、全ての歴史的排出の約75%を排出しており、一方、途上国の歴史的排出の10倍以上の責任を負っている。北の現在の一人当たり排出は、南の諸国の排出の4倍以上である。
これは気候債務だ!


気候債務は、現在、各国で、炭素排出量削減および気候資金促進に対する公正かつ適切な義務と責任を決定するための枠組みおよび基盤の一部として強く主張されている。ますます多くの南の政府が、ボリビア政府に導かれて、UNFCC交渉で気候債務問題およびそれに関する要求を掲げ、その一方、ますます多くの大衆運動、現地住民、環境グループ等が、気候債務の補償を求めるキャンペーンを実施している。

気候債務は、北の諸国が完全に軽視、無視、または拒否し続けてきた気候協定の行動指針と言える歴史的責任の概念と一致している。気候債務は、歴史的責任を分類、運用、数値化し、さらに補償を求める声を上げるための系統的アプローチを提供することによって、歴史的責任の概念をさらに一歩進めるものである。

この概念について、この概念に含まれる以下の2つの要素に関して詳細に述べる。

*排出債務
*適応債務

排出債務とは、北の諸国が、地球のグリーンハウスガス(GHG)の吸収能力を過剰に使用し、その能力を実質的に損なわせたために、北の諸国が南の諸国や人々に対して引き起こした債務である。この債務の基盤にあるのは、地球のGHG吸収能力に関して、全ての人々が惑星(地球)の「大気空間」または「炭素空間」について平等の権利を持ち、またそれを平等に共有するとする原則である。初期評価では、各国の公正な分け前は1人当たりで決定される。北の気候変動に対する歴史的および現在の過剰な関与を反映するには、この債務の補償は、国内排出を大幅削減する様式で実施すべきだ。そうすれば、南の諸国に、大気空間の公正な分け前が変換され、同時に適応と緩和に必要な技術に資金提供することが出来る。

適応債務は、北の諸国が、過剰排出による悪影響のために、南の人々の損失や損害を加速させ、直面している発展の機会を奪ったことに対し、北の諸国が南の発展途上国に対して引き起こした債務である。この債務に対する補償は、各国、コミュニティー、人々に与えた気候変動による悪影響に対して、十分な資金提供と補償の形で実施すべきである。

このような義務を引き受けることは、権利であるばかりでなく、気候変動に対する正当で効果的な解決策の基盤となるものである。気候変動を引き起こす過程で最も利益を受けた人々は、この過程にほとんど関与していないにもかかわらず結果に対する支払を行っている人々に対して補償しなければならない。また利益を受けた人々は、引き起こされた損害に対する補償する法的義務を負っている。

炭素債務の価格は?
持続不可能な一人当たり炭素利用を基礎とするG8諸国の経済産出量に対する評価によると、1994年の炭素債務は、13兆〜15兆ドルの間であると指摘している!この数値は、南が主張する金融債務を上回り、その数倍に上る。
ではだれが、気候債務を支払うのか?

人間の権利と自然の権利

環境債務の概念は、環境権と直接関係している。環境不正がなければ、環境債務は明らかとならないだろう。環境権とは、全ての人間が、生存に必要な土地、水、食料、保護施設、空気などが損なわれていない健康な環境と自然資源に対して持つ権利である。また、全ての人やコミュニティーが、自らの将来を決定し、有効な情報や参加にアクセスし、生存権を犯すプロジェクト、プログラム、政策、過程に対して抵抗する権利を持つと言う意味で、政治的権利とも関連している。

さらに、自然もまた権利を持つということを決定するために、多くのプロセスが実施されてきた。2008年に承認されたエクアドル憲法では、次のように述べられている。「自然は、自ら存在し、生命維持に必要なサイクル、構造、機能、進化の過程を存続し、維持し、再生する権利を持つ」。同様に、ボリビア大統領エボ・モラレスは、2009年4月国連総会での演説において、母なる大地の権利を守る世界宣言の必要性について述べた。エボ・モラレスは、その演説の中で、「私たちは、自然と共存するために、人間だのみならず、惑星、動物、植物など全ての生命体が、尊重されるべき権利を有することを認識しなければならない」と述べた。

ノーモア債務:人間の権利と自然の権利

2008年、国連人権理事会は、「気候変動は、世界中の人々やコミュニティーに直接的および広範な脅威を与えており、人権については十分それが保護されなければならない」、と表明した。同理事会は、国連人権高等弁務官事務所に対して、人権と気候変動の関係について分析的研究を実施するよう命じた。同研究は終了し、COP-15において利用可能となろう。 同研究は、食料不足、異常気象の発生などの気候変動による影響は、生命、食料、水、健康に対する権利に悪影響を与えていると結論付けている。さらに、気候変動による悪影響は均一ではない。これは、差別や不平等な力関係などの気候変動以外の要因があるからである。この意味で、最初に打撃を受け、気候変動で最も影響を受けるのは、少なくとも気候変動にほとんど関与していない世界の最貧国およびその国の人々である。これらの諸国と人々は、補償を求める権利を有している。従って、気候変動の人間的局面および政治的局面は、環境正義および環境債務の観点から分析することが必要である。

体系の変更

補償を保証するには様々の方法があることは、当然である。私たちは、気候変動交渉でボリビア政府が行った提案以上のこと求めることが出来る。それは、領域と生態系の完全な回復、学校や病院などの基礎インフラの再建、社会的権利および破壊された農業体系の回復、南の人々の福祉の回復等を補償に含めるよう要求することである。

補償と考えられる別の直接的提案は、石油、その他、地下の化石燃料を保存するために、資源を南の諸国へ移転することである。これはオイルウォッチ(Oilwatch)などの機関やネットワークによる提案で、2007年、エクアドル共和国ラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領によって採択された。その考えは、石油やその他の化石燃料を搾取せず(しかし、採掘などその他の資源採掘産業は含む)、ポスト石油の経済と社会に向けて連帯して実施する国の決定を求めるものである。ドイツ、スペイン、その他のヨーロッパ諸国の国々は、このイニシアティブに参加することに興味を示している。このイニシアティブは、ヤスニ国立公園の保存と、アクアドルのアマゾン地域に生活する人々の権利を守ることを目的としている。例えば、付録1排出に比例する供与および国内総生産GDP)によると、ドイツは13年間で年間5,000万米ドルを供与した。

この提案−エネルギーおよび開発モデルを変更することが目的−は、共通であるが差異のある責任に関連付けられ、また気候協定の行動指針でもある。南の諸国が、森林を保護し現地コミュニティーおよび現地住民の権利を守る責任を担う一方で、北の諸国は、化石燃料を搾取したり消費することをこれ以上増やさないことによって、気候変動に対する自らの歴史的責任を担っている。

環境債務および気候債務を認識するための最も重要な方法のひとつは、自然および南の人々の権利を犯し続けている介入、政策、プログラムを直ちに中止することである。このことを保証するには、世界的な経済規範および体系を根底から変換することによってのみ可能となる。


気候正義に対するアジアプラットフォーム(Asian Platform for Climate Justice)で述べたように、私たちに必要なことは、「全ての諸国において、炭素およびGHGの排出量削減および規制を、社会経済構造を転換するための包括的取り組みの一環として実施し、政策を、利益主導、執着する高度成長、高炭素、エリート支配の搾取する不公正な体系から方向転換し、国内および国際的において公正で、持続可能な発展を求めることを保証することである。」その際の重要な点は、単に全体の排出量を削減することではない−基本的な目的は、社会、経済体系およびそれに相当するテクノロジーを、民主的で、平等な自足可能な体系へと転換することである。このような特徴はどれも欠くことはできない。」



ジュビリーサウスの気候変動、環境債務、金融主権に関するプラットフォームに向けて

ジュビリーサウスは、前述の見解や視点を基盤にして、また過去10年間、債務の支配に打ち勝ち、正当で、独立した、民主的、持続可能な社会の構築のために闘っているグローバルサウスネットワークと運動で発展させてきた行動指針と立場を基盤にして、気候変動、金融および環境債務に関して、以下の行動指針を設定、要求する。


行動指針
■生産と消費の資本主義体系、および自然資源が無制限だとする信念に基づいた成長パラダイムは転換すべきである。市場原理主義および資源の商品化は、「共通の公共財」の原則に置き換えられねばならない。

■気候変動および気候正義は、文化および環境の危機に照らして、また、ちょうど気候債務が環境債務の一部であるように、環境正義の観点から検討すべきである。

■気候変動は、経済、社会、環境正義的な観点の範囲で経済、法律、財務、取引、投資の体系に関連づけることが必要である。

■人間の権利および自然の権利は、気候危機を克服することを目指す政策およびプログラムの主要課題とすべきである。

■気候変動に対する真の解決策では、違法な債務の蓄積を新たに蓄積し、環境および気候債務を新たに引き起こすことはない。

主な要求
■現在の危機と気候変動を引き起こしたとして一般に入れられている倫理的、社会的、政治的、経済的および法的価値、基準、行動指針、また債務契約の基本前提を犯しているこれらの債務を生み出した北の責任を認識し、南が主張する債務を即時に無条件で取り消すこと。これは補償の一部としては検討されない。

■環境および気候危機の原因と結果に対する歴史的責任および現在の責任を認識し、北の諸国、企業、エリートたちによって犯され、搾取された南の自然および人々、すべのものが負っている環境および気候債務に関してその返還と補償を保証すること。

■排出量の削減を避け、南の諸国を分断しようとする北の政府の試みに抵抗し、反対する。
■IFIは気候問題から手を引くこと(その業務と南への介入を停止するためのさらに規模の大きな戦略の一環として)

■気候プログラムに助成金を付与する貸付または債務を停止すること。これは補償の一部とすべきである。気候危機を処理するためのいかなる債務も違法である。

■環境および気候債務の発生に関する調査を、実施する債務監査に組み入れること。

■補償に対する明確な要求のために、環境および気候危機の監査を実施する。

■気候変動を悪化させるプロジェクトと政策を中止する。

■地下の石油燃料を保存する。

■全ての国連規約に照らして生命と生活の権利など、強制移住者を誘導している気候変動の権利を認識し、正当な再定住を保証する国内および国際プログラムを確立する。

■市場を基盤とする誤った解決策を拒否する(炭素市場、REED、農作物燃料、水力発電所、石炭および核エネルギー)。

■国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の規制により、世界気候公的補償基金(Global Climate Public Reparations Fund)の形で、民主的金融制度を確立し、強化する。

■人々の権利とニーズに基づく代替策を構築する−人間とコミュニティーによる自然資源の支配、家族農業、エネルギー主権に対する森林、保護地の保護、非炭化水素エネルギー依存の社会など。代替策は、人々の食料、エネルギー、金融および政治的支配に基づくべきである。

課題

北は、南の資源の搾取、南の人々の権利や自然に対する主な歴史的かつ現在の責任を負っている一方で、引き続き私たちの政府を変える取り組みを実施することも必要であると強く確信する。債務取り消しまたは補償を要求することは、政府および国のエリートたちに白紙委任を与えることを全く意味していない。このように、私たちの取り組みは、私たちが求めている変化は、単に北のエリートを南のエリートで単に置き換えることでなく、むしろ、不正と負債の体系を大幅に転換することであると言うことを保証することである。

この意味で、資本主義のある局面を克服することに関して重要な進展をしているが、体系の一部であり矛盾のある過程を認識し、それを支援するという課題に直面している。この矛盾について認識することが必要で、それによってこの矛盾を克服することができる。

環境および気候債務を数値で示すことは、環境債務、重要性に関して主要カテゴリーを確立し、債務を刺激し、南が違法であるとし手主張する金融債務とそれを関連付けるために重要な手段である。例えば、アンドリュー・シムズ(Andrew Simms) がその著書an environmental war economy: the lessons of ecological debt and global warming(環境戦争の経済:環境債務と地球温暖化の課題)述べる様に、2001年の環境債務は、南が主張している金融債務の3倍以上であるとすれば、明らかに「だれがだれに負っているのか」とする疑問がある。これは重要な政治的ツールである。それにもかかわらず、価格の付けられない環境および社会的破壊に対して支払うことをせず、または体系の転換を目指す概念に対して市場メカニズムを使用するとるわなに陥らないとする課題が残る。

森の人々が収入減を確保し、資源採掘産業で労働者が雇用を維持し、南の諸国が資源採掘産業から所得を得るための差し迫った必要に基づく議論に関して、私たちが直面している課題を認識しながら、その一方で私たちの要求に対する支援をどのように獲得すれば良いのか?このためには、異なる体系とはどのようなものであるのか、異なる体系を獲得するための正当な転換プログラムをどのように作成するかに関して詳細に分析することが必要である。

明らかに不可能なことを可能にする

私たちが直面している文明の危機のただ中で、利益を求める悪意ある、利己的な競争がこれ以上自然を破壊しないことを保証するために、さらに、私たちが認識している様に人間性を持って団結、動員、抵抗、強化に係る全ての取り組みを強化することが必要であると言うことは十分明らかなことである。歴史的、社会的、金融、気候債務に対する債務取り消しおよび補償に対して、また社会経済的および環境不正に対して、気候変動および債務の支配に反対する闘争は、人間と自然の権利について認識し、それを促進し、新たな開発パラダイムと正当で持続可能な経済体制の構築するための包括的闘いの一部としてのみ成功するだろう。

このためには、世界が経験している最も深刻な危機、またほとんど語られない危機、つまり危機の価値を克服することが必要である。このような価値の危機は、資本主義体系によってその生存と拡張が搾取され、そのため私たちは、人間を単なる消費者として、国を単なる市場であり、地球は、克服したり、破壊したり、支配するための障害、または採掘や販売するための商品として見なすようになった。地球と調和しながら生きるために生産したり、消費したりする方法を変更すること、限界を尊重し、コミュニティーの生活が異なる形態を持つことを尊重することは、私たちの価値観を変えることである。このために、私たちは勇気を持って考え、話をし、異なる方法で行動することが必要である。また、私たちのなかにまだ存在する支配的な想像に対して挑戦していくことが必要である。異なること、文化、人種、民族性、ジェンダー、世代、性的思考が如何に美しいことであるかを認識することが必要である。聞こえてくる自分自身の声に耳を傾けることが必要である。ここに、私たち共通の現在と未来が見えてくる。私たちの地球を守り、地球と共に生きる唯一の方法である。明らかに不可能と思えることを可能にしよう。



<References, Presentations, Articles 略>