【米デモ仕掛け人 本紙に語る】 「投機目的の金融取引への「ロビンフッド税(一律課税)」の導入を求め、二十九日には世界各地で五千万人規模のデモを計画」

米デモ仕掛け人 本紙に語る
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011100802000030.html

2011年10月8日 朝刊


 【ニューヨーク=青柳知敏】米ニューヨークのウォール街で始まった格差是正の抗議デモは、反消費社会などを掲げるカナダの非営利雑誌「アドバスターズ」(本部バンクーバー)がインターネットを通じて仕掛けていた。発行人のカレ・ラースン氏(69)は六日、本紙の電話インタビューで、投機目的の金融取引への「ロビンフッド税(一律課税)」の導入を求め、二十九日には世界各地で五千万人規模のデモを計画していると述べた。

 ラースン氏は二十九日を照準とする理由を「(来月上旬に)フランスで開かれる二十カ国・地域(G20)首脳会議の前に世界中で行動を起こすためだ」と説明。全米に広がるデモは、批判が拝金主義や高額な学費ローンなど多方面に向かっているが「投機的な金融取引に一律1%の課税を求める。これを世界共通の要求事項に据える」と明かした。

 アドバスターズは七月、ウェブサイトに「ウォール街を占拠せよ」とのスローガンを掲示。九月十七日を「キックオフ」として行動を呼びかけ、デモや座り込みの人数は現在も増え続けている。

 同氏は「米国は変革をもたらす国だったが、過剰な消費主義で腐ったリンゴのようになった」とした上で「金融エリートや巨大企業に未来を託すわけにはいかない」と指摘。米国はソーシャルメディアが熟しており「若者を中心に世界を変えていく巨大な力が醸成される」と述べた。

 現在のデモについては「リーダーも組織もないのに人々が集まり、国について意見を交わしている。この現状こそ、新しいスタイルの革命の始まりだ」と強調した。