【転載/映像&声明】12・7「地球は売り物ではない!ボリビアからの提案」モラレス大統領来日・市民集会の報告


(写真:開会の挨拶をされる本集会の呼びかけ人である開発と権利のための行動センターの青西靖夫さん〔右端〕。中央が太田昌国さん。その右がATTAC Japan首都圏の秋本陽子さん。後ろにあるのがアンデス先住民族の旗である多色旗ウィパラ。2010年12月7日、アンデスフォルクローレ楽器店「コチャバンバ」3階。収容しきれない人のために2階にもサテライト会場が開設された/写真提供:地球の子ども新聞)

 12月7日にボリビアのモラレス大統領来日に合わせて行われた「地球は売り物ではない!ボリビアからの提案」モラレス大統領来日・市民集会*は会場のキャパシティを超える約50名の参加者で大いに盛り上がりました(会場からのU-stream中継を担当されたPARCの小池さんによりますと集会開催中にU-stream中継をご覧になっていた方はのべ100人だったそうです)。

 奇しくもこの日は世界最大の農民運動組織であるヴィア・カンペシーナが呼びかけた「気候正義を求めるグローバル行動デー」(1000のカンクン)であり、私たちは期せずして東京に「民衆のカンクン」を実現してこの一大国際行動に合流することになったのでした。

ボリビア・モラレス大統領来日・市民集会(12月7日東京)地球は売り物ではない!ボリビアからの提案
http://d.hatena.ne.jp/Jubilee_Kansai/20101129/1291010692

【当日配布資料(一部)↓クリックしてダウンロードできます】
①気候変動と母なる大地の権利に関する世界民衆会議への招聘状(2010/1/7)
②貧者に発言の場を提供するボリビア気候変動会議(原文「ガーディアン」4月18日)
③レオナルド・ボフ 「民衆の気候変動世界会議」
COP15におけるボリビア多民族国提案
12月7日当日資料.doc 直
【関西からの資料】ジュビリーサウスの気候変動、環境債務、金融主権に関するプラットフォームに向けて(一部抜粋)
資料(プラットフォーム).doc 直


 以下にご紹介するのは、PARC(アジア太平洋資料センター)の小池菜採さんによる12・7「地球は売り物ではない!ボリビアからの提案」モラレス大統領来日・市民集会についての報告です。

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

みなさま

 こんにちは。昨日、PARCも主催団体のひとつとして参加したモラレス大統領来日・市民集会「地球は売り物ではない!ボリビアからの提案」が、PARCのお向かいのアンデス楽器店「コチャバンバ」で開催されました。

 3名のスピーカーが、歴史、環境正義とコチャバンバ合意、先住民族運動についてお話をされ、「参加者の声」として声明を採択しました。声明は、前書きをつけて、ボリビア大使館を通じ、エボ・モラレス大統領に伝えてもらうようになっています。

 チャランゴの演奏もあり、質疑応答も、「脱成長を語りながらの資源戦略」についてなど充実したものになりました。

 集会の様子は、以下より映像でご覧いただけます。また、声明文も末尾に添付いたします。

 以上、ご報告でした!

 小池菜採



(写真:「ゲバラからモラレスへ」と題して20世紀型社会主義から21世紀型社会主義への展望について報告されるラテンアメリカ研究者の太田昌国さん。右側は映像を撮影されたPARCの小池菜採さん/写真提供:地球の子ども新聞)

==映像=========================================

◎あいさつ・デモクラシーナウ!
http://www.ustream.tv/recorded/11301662

◎太田昌国さんのお話
http://www.ustream.tv/recorded/11301747

◎青西さんのお話
http://www.ustream.tv/recorded/11302023

◎福田大治さんのチャランゴ演奏
http://www.ustream.tv/recorded/11302320

◎秋本さんのお話、内富さんより声明文について
http://www.ustream.tv/recorded/11302461

◎声明文採択2
http://www.ustream.tv/recorded/11302763

◎質疑応答
http://www.ustream.tv/recorded/11302788


(写真:モラレス大統領の前でも演奏された福田大治さんのチャランゴ演奏に聞き入る参加者。中央正面に貼ってあるのはジュビリーサウスのクライメート・ジャスティスを訴えるポスター/写真提供:地球の子ども新聞)
↓以下をクリックするとポスターの大きな画像が見ることができます。
http://d.hatena.ne.jp/Jubilee_Kansai/20101124/1291306135

==声明文=====================================

【前書き】

 日本の市民はボリビアそしてラテンアメリカ(Abya Yala)の先住民族への連帯とコチャバンバで合意された「民衆合意」への支持を表明します。

 私たちは、12月5日、7日に、それぞれ京都と東京にて、日本の市民社会の諸組織によって組織された集まりにおいて、ボリビアの経験、特に「気候変動と母なる大地の権利に関する世界民衆会議」の経験について共有しました。

 これらの集会は、ATTAC Japan、開発と権利のための行動センター、日刊ベリタ、シネマテ−ク・インディアス、ジュビリー関西ネットワーク、先住民族の十年市民連絡会、アジア太平洋資料センター、ピープルズ・プラン研究所、カフティ、地球の子ども新聞、ATTAC関西、ATTAC京都によって組織されたものです。

 集会の終わりに、現在日本を公式訪問中のエボ・モラレス大統領に向けて参加者の合意で声明文が採択されました。

【声明文】

今こそクライメート・ジャスティスの実現と気候債務の返済を!
モラレス大統領の来日を歓迎し、気候変動交渉へのコチャバンバ民衆合意の反映を求めます!

2010年12月7日

 気候変動交渉には人々の声が、とりわけ世界の大多数を占めている「南」の民衆の声が反映されなければならないと、私たちは考えます。

 この間、ボリビア多民族国が提唱し、全世界に向けて主張されてきた企業の利益よりもいのちを大切にする「コチャバンバ合意」の精神に深く共感しました。

 2010年4月、ボリビアコチャバンバに140カ国から35,000人が集まり、気候変動への代替策を反映した合意に基づく文書である歴史的なコチャンバ民衆の合意を策定しました。私たちは、この社会運動、先住民族、国際市民社会によって採択された「コチャバンバ民衆合意」の内容を支持し、現在行われているカンクンでのCOP16をはじめとするあらゆる国際的な気候変動交渉においてこの民衆合意の内容が反映される必要があると考えます。

 私たちは、日本政府をはじめとするすべての国々、わけても「北」の「先進国」に対して以下のことを要求します。

 1.自然との調和を回復するために、「コチャバンバ民衆合意」を検討すること。

 2.「途上国」および地球が負っている気候債務を引き受けるのは「先進国」の義務です。
  先進国は「無限の成長」という破滅的なモデルから脱却し、脱成長社会へと踏み出すことで「大気の脱植民地化」への道を切り開くこと。

 3.自由な事前の情報に基づく合意に基づいた、土地、領域、資源を保有する権利、完全で効果的な参加など、先住民族の権利と知識が尊重されること。

 4.環境的に持続可能で、食料主権および先住民族と小規模農家の権利を保障する農業生産モデルを。

 5.人類および地球にとって極めて重要な問題について実施することが出来る、「気候変動に関する世界住民投票」(World Referendum on Climate Change)を検討すること。

 私たちは、企業の利益を優先するのではなく、いのちと地球を大切にする「コチャンバ民衆合意」が、COP16での議論と結論に含まれるよう要求します。

 私たちは、クライメート・ジャスティスの実現こそが現在の気候変動交渉の停滞(特に北側先進国のサボタージュ)を解決し気候変動交渉を成功に導く方法であると確信します。日本社会は地球数個分も必要とする自らの特権的で不公正な過剰生産・過剰消費・資源収奪システムを反省し、「南」側への気候債務、エコロジカルな債務を返済しなければならないし、私たちはその方向への転換のために努力します。

 COP16において日本の産業界の意向を反映し京都議定書の延長に強固に反対し続けている日本政府の姿勢は、カンクンにおける交渉プロセス全体を頓挫させる無責任極まりない犯罪的な行為です。地球と人類に敵対する行為として、わたしたちはこれに明確に反対します。

 今回のエボ・モラレス大統領の来日に際して、以上を今日の集まりの参加者の声として表明します。


【モラレス大統領への声明文(スペイン語版)/なお翻訳は廣田裕之さん(補完通貨研究所JAPAN)と青西靖夫さん(開発と権利のための行動センター)による)
↓クリックしてダウンロードできます
モラレス大統領への声明(スペイン語).pdf 直

∴∴*∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴*∴∴∴*∴∴∴∴*∴∴∴
Pacific Asia Resource Center(PARC)
KOIKE NATSUMI
3fl.Toyo Bldg. 1-7-11 Kanda awaji-cho Chiyoda-ku Tokyo JAPAN
Tel:03-5209-3455 Fax:03-5209-3453 E-mail: video@parc-jp.org
HP http://www.parc-jp.org/

特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC) 
  小池 菜採 (KOIKE NATSUMI)
 〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F

新作ビデオ「近くて遠い、遠くて近い貧困問題」ついにリリース!
http://parc-jp.org/video/index.html
∴∴*∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴*∴∴∴*∴∴∴∴*∴∴∴


(写真・番外編:会場「コチャバンバ」との交渉など「縁の下の力持ち」的に集会準備に奔走されたATTAC Japan首都圏の稲垣さん〔左〕とボリビア大使館との交渉などに奮闘された開発と権利のための行動センターの青西さん〔中央〕)